精神保健福祉士は、精神障がい者やメンタルヘルスへの問題に対して専門知識で援助を働きかける専門職です。雇用する側ももちろん、精神保健についての専門性を重視して履歴書を確認します

履歴書は、活動や業務内容を含め雇用側へアピールできる最初の機会です。
ポイントを押さえて作成することで、しっかりと伝えたいことを雇用側へ伝えましょう。

この記事では、精神保健福祉士としての履歴書や志望動機の書き方やポイントを例文付きで解説していきます。

この記事の要点まとめ
  • 自分自身をアピールできる履歴書作成のために、伝えたい想いを整理しよう
  • 履歴書に必要な書き方を理解して、正しく記入しよう(例文あり)
  • 採用担当者がチェックしやすいポイントを把握し、志望動機を具体的にしよう

人事も注目する!精神保健福祉士の採用で重視されるスキル

精神保健福祉士(PSW)の仕事は、単に相談に乗るだけでなく、医療・福祉・行政など多くの関係者と連携し、複雑な課題を解決に導く専門職です。

そのため採用担当者は、応募者の人柄に加え、以下のような専門的なスキルが備わっているかを、履歴書や職務経歴書から見極めようとしています。

重視されるスキル重視される理由履歴書でのアピールポイント
① 連携・調整力・院内では多職種チームでの連携が基本となるため
・退院後の生活支援には、地域の関係機関との連携が必須なため
【職務経歴】で連携した職種や機関名を具体的に記載する
② 判断力・課題解決能力・クライアントの病状変化など、緊急対応が求められる場面が多いため
・法や倫理に基づいた最適な判断が常に必要となるため
【自己PR】で困難な事例をどう乗り越えたか、エピソードを交えて説明する
③ 社会資源の知識と活用力・支援の選択肢(引き出し)の多さに直結するため
・状況に合わせて最適なサービスを繋ぐ実践的な能力が求められるため
【志望動機】で応募先の地域で活かせる社会資源の知識に触れる

精神保健福祉士の履歴書の書き方とポイント

履歴書はさまざまなものが販売されていますが、記載する内容は共通しています。
一般的な書き方を踏まえながら、記入するポイントを解説します。

すべての項目に共通するルールがあります。

  • 正式名称を書く
  • 省略せず事実のみを書く。
  • 時系列で書く

これらのポイントを押さえて、各項目をみていきます。

学歴の書き方

学歴は一般的には高等学校の入学年から書き始めます。「年」は西暦、年号どちらでもよいですが、混在しないよう統一しておきましょう。
大学や専門学校については、学部や学科も正式名称で記入します。

学歴
平成〇年〇〇県立〇〇高等学校 入学
平成〇年〇〇県立〇〇高等学校 卒業
平成〇年〇〇福祉大学 保健福祉学部 精神保健学科 入学
平成〇年〇〇福祉大学 保健福祉学部 精神保健学科 卒業
以上
履歴書の記入例(学歴)

編入や休学歴がある場合も時系列に沿って「学歴」欄に記載します。
理由も記入しておくと、読み手が理解しやすくなります。

職歴の書き方

職歴欄にはこれまで就労していた職場について記入します。
アルバイトやパートは記入する必要はありませんが、提出先の業種を踏まえ施設や事業所などアピールできるものであれば記入してもよいでしょう。

職歴
平成〇年医療法人 〇〇病院 入職
 地域連携室 配属
 医療ソーシャルワーカーとして勤務
平成〇年一身上の都合により退職
平成〇年社会福祉法人△△会 入職
 相談支援事業所▢▢ 配属
 相談員として勤務
以下余白
履歴書の記入例(職歴)

配属先の名称や役割、役職も正確に記入します。記入枠に余裕があれば、業務内容も簡潔に記入しておきましょう。

退職については詳細に書く必要はなく「一身上の都合により退職」などでかまいません。
ただし履歴書を確認した上で行われる面接では、退職理由の詳細を聞かれる場合がありますので、理由はしっかりと説明できるようにしておきましょう

免許・資格の書き方

取得している免許や資格を書く時は、以下のポイントを踏まえて記入していきます。

  • 自動車運転免許を先頭行に記入する
  • 取得した免許・資格はすべて記入する
  • 業務に関係した資格を優先して記入する

また、資格にも種類があり、内容によって文末表現が変わります。

資格内容記載方法
運転免許や国家資格など免状や免許が交付されるもの取得
検定など合格証が交付されるもの合格
訓練や講習、研修など一定の要件を満たし認められたもの修了

精神保健福祉士資格の場合では、状況に応じて、以下のように書くと良いでしょう。

  • 受験資格を有し、国家試験までの期間 → 受験予定
  • 国家試験受験し、結果待ちの期間 → 結果待ち
  • 国家試験に合格し、登録までの期間 → 合格
  • 登録終了後 → 取得

免許や資格は自身が頑張ってきたことを証明するポイントです。
精神保健福祉士として転職する場合、雇用側が保有資格の条件を提示している場合もあるため、正しく記入しましょう。

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【例文】精神保健福祉士の「志望動機」の書き方

志望動機は、あなたの経験と熱意、そして将来性を伝えるための、応募書類で最も重要な項目です。

採用担当者は「なぜ精神保健福祉士なのか」「なぜ数ある中からウチを選んだのか」を知りたがっています。単なる経験の羅列ではなく、あなたの過去・現在・未来を繋ぐストーリーとして伝えられるよう、以下の3ステップで考えを整理してみましょう。

志望動機をまとめるための3ステップ

ステップ1:過去の経験とスキルの棚卸し

まず、なぜ精神保健福祉士として働きたいのか、これまでの経験で何ができるのかを言語化します。

  • なぜ精神保健福祉士なのか?
    (他の職種ではなく、この専門職を選んだ理由は?)
  • どんな経験を積んできたか?
    (どんな対象者を担当し、どんな課題解決をした?)
  • 自分の強み・スキルは何か?
    (多職種連携、退院支援、相談援助技術など)

ステップ2:応募先との接点を見つける

次に、あなたの経験と応募先の特徴を結びつけます。

  • なぜこの職場なのか?
    (応募先の理念や事業内容のどこに共感した?)
  • どうやって貢献できるか?
    (自分の経験やスキルは、応募先のどんな業務で活かせる?)

ステップ3:未来のビジョンを提示する

最後に、入職後にどう活躍したいかを具体的に伝えます。

  • 入職後、どうなりたいか?
    (どんな精神保健福祉士を目指し、どう成長したい?)
  • どう貢献していきたいか?
    (あなたの活躍が、利用者や組織にどんな良い影響を与える?)

【例文】志望動機

上記の3ステップを踏まえて作成した、状況別の志望動機例文をご紹介します。
太字部分が、各ステップで整理した要点を反映した箇所です。

例文1:一般病院(MSW)→精神科病院(PSW)への転職

医療ソーシャルワーカーとして急性期病院で入院患者様の退院支援を行う中で、身体的な疾患だけでなく、精神的な悩みを持つ方が非常に多いことを実感しました。患者様の心の問題にも深く寄り添いたいという想いが強くなり、昨年に精神保健福祉士の資格を取得いたしました。

退院調整で培った面接技術と社会資源の知識は、貴院の強みである地域連携においても必ず活かせると考えております。その上で、精神保健分野での新たなアプローチを学び、入院から退院後の生活までを包括的に支援することで、患者様の不安を少しでも軽減できるよう努めたいです。

例文2:行政機関→障がい福祉サービスへの転職

保健所の精神保健福祉相談員として、多くの相談に対応する中で、窓口という限られた場だけでなく、より一人ひとりの生活に密着した形で支援したいというジレンマを感じていました。
地域に根差し、継続的な個別支援を重視されている貴事業所の理念に強く共感し、志望いたしました。

行政で培った制度の知識や関係機関との連携経験を活かし、利用者様やご家族が抱える課題に対し、多角的な視点からアプローチできると考えております。
将来的には、潜在的なニーズを掘り起こし、新たな支援の形を提案できるような存在として、事業所に貢献していきたいです。

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提出前の最終確認!精神保健福祉士の履歴書チェックリスト

履歴書と職務経歴書が完成したら、最後に必ずこのリストでセルフチェックをしましょう。
自分では完璧だと思っていても、思わぬ見落としがあるものです。

多忙な採用担当者は、書類の丁寧さからも人柄を判断します。
万全の状態で提出するために、一つひとつ確認してください。

☐ 基本項目

  • [ ] 日付は提出日(郵送なら投函日、持参なら当日)になっていますか?
  • [ ] 誤字脱字、変換ミスはありませんか?(声に出して読むのがおすすめです)
  • [ ] 証明写真は剝がれず、清潔感がありますか?(3ヶ月以内に撮影したもの)
  • [ ] 連絡先(電話番号・メールアドレス)に間違いはありませんか?

☐ 内容・専門性

  • [ ] 資格名は「精神保健福祉士」と正式名称で書いていますか?(登録番号も忘れずに)
  • [ ] 職歴は「入職」「退職」と記載していますか?
  • [ ] 自己PRや志望動機は、応募先の理念や事業内容に沿っていますか?(使い回しNG)
  • [ ] 専門用語を使いすぎて、独りよがりな文章になっていませんか?

☐ 提出方法

  • [ ] 郵送の場合: 封筒の宛名や「履歴書在中」の記載は完璧ですか?
  • [ ] メールの場合: ファイル形式はPDFになっていますか?
    (ファイル名も氏名を入れて分かりやすく)

精神保健福祉士の履歴書の書き方でよくある質問FAQ

精神保健福祉士の履歴書を作成するうえで、多くの方が悩む質問にお答えします。

履歴書の日付は、いつの時点を記入すれば良いですか?

履歴書の日付は「提出日」を記入するのがルールです。
いつ作成したかではなく、提出方法に合わせて以下のように書き分けましょう。
和暦(令和〇年)で、他の書類と表記を統一するのが一般的です。

  • 郵送の場合: 郵便ポストに投函する日
  • 持参の場合: 事業所に持参する当日
  • メールの場合: メールを送信する日
「本人希望記入欄」には、給料や勤務地の希望を書いても良いですか?

応募書類の段階で給与や待遇などの条件を記載するのは、特別な事情がない限り避けましょう。「条件ばかり気にしている」という印象を与えかねません。

基本的には「貴施設(法人)の規定に従います。」と記載します。
ただし、複数の職種を募集している求人へ応募する場合は、希望職種として「精神保健福祉士」と明記しておくと親切です。

実務経験がありません。実習経験をアピールしても良いですか?

もちろんです。特に新卒や未経験の場合、実習はあなたのポテンシャルを伝える絶好の機会です。

職務経歴欄ではなく、自己PR欄などで「〇〇病院での実習において、多職種連携チームの一員として退院支援カンファレンスに参加し、傾聴と提案の重要性を学びました」のように、実習で何を学び、どんなスキルを得たかを具体的に記載しましょう。

複数の事業所に応募しますが、志望動機は同じでも良いですか?

志望動機を使い回すのは絶対にやめましょう。採用担当者は「なぜ他ではなく、ウチなのか」を知りたがっており、どの企業にも当てはまるような内容はすぐに見抜かれます。

必ず応募先一つひとつの理念や事業内容を研究し、そこでなければならない理由を、ご自身の言葉で伝えることが内定への近道です。

まとめ

今回は、精神保健福祉士の履歴書作成についてまとめました。

専門職としてもとめられる精神保健福祉士は、履歴書の上でもこれまでの活動や経歴をしっかりとチェックされます。
事業所の情報に寄りすぎてしまうと、精神保健福祉士としての専門性からかけ離れてしまうこともあり、結果として事業所の求める人物像と乖離してしまう可能性があります。
精神保健福祉士の倫理を前提としながら自分自身を表現することで、履歴書は大きな武器になります

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