社会福祉士国家試験の合格率は、直近の2026年(第38回)試験で60.7%でした。
近年の合格率は55~60%と高い水準で推移しております。
この記事では、2025年度から導入された「新カリキュラム」の影響や、合格に必要な「合格点(合格基準点)」の推移、最短で合格を掴むための戦略を、厚生労働省の最新データを元に解説します。
目次
社会福祉士国家試験の合格率・合格者数・受験者数
過去の受験者数や合格率について見ていきましょう。
社会福祉士国家試験の最新結果(2026年・第38回)
まずは2026年2月1日に実施された、第38回社会福祉士国家試験の試験結果から解説します。
2026年の社会福祉士国家試験の合格率はどのくらい?
2025年の社会福祉士国家試験の受験者数は25,430人で合格者数は15,438人、合格率は60.7%でした。新カリキュラム変更後から2回目の試験となります。
前年度の受験者数(27,616人)に対して、2,186人減り(約8%減少)、過去20回の中でも最も受験者数が少ない結果となりました。
| 項目 | 2026年(第38回)結果 | 2025年(第37回)結果 |
|---|---|---|
| 合格率 | 60.7% | 56.3% |
| 受験者数 | 25,430人 | 27,616人 |
| 合格者数 | 15,438人 | 15,561人 |
| 合格基準点 | 50点(129点満点中) 共通科目免除者 17点(45点満点中) | 62点(129点満点中) 共通科目免除者 22点(45点満点中) |
出典:第38回社会福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
出典:第37回社会福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
第37回の社会福祉士国家試験 出題傾向は?
2025年の社会福祉士国家試験で出題された問題のポイントをまとめました。
最新の法改正や実務に関連した知識が重要となります。
- 単なる暗記ではなく、現場での実践的な思考力や事例に対する応用力を問う問題が増加。
- 初見の専門用語や正答を迷わせる複雑な言い回しが多数使われ、問題文の難易度が上がりました。
- 答えを2つ選ぶ五肢二択問題が増加し、これまで以上に正確で幅広い知識が求められました。
過去の社会福祉士国家試験の合格率推移
過去5年間の社会福祉士国家試験の合格者について、厚生労働省の発表などを参考に解説していきます。
受験者数、合格者数の過去推移
過去の受験者数と合格者数の推移は以下のとおりです。
| 実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 25,430人 | 15,438人 | 60.7% |
| 2025年 | 27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
| 2024年 | 34,539人 | 20,050人 | 58.1% |
| 2023年 | 36,974人 | 16,338人 | 44.2% |
| 2022年 | 34,563人 | 10,742人 | 31.1% |
社会福祉士は、他の福祉系国家試験(介護福祉士:約70〜80%)と比較すると合格率が低いため「難しい」と認識されがちですが、過去5年の推移を見ると合格率は上昇傾向にあります。
性別ごとの合格者の過去推移
過去5年における性別ごとの合格者数の推移を見ていきましょう。
女性の方が多く、男女比は男性3~4割、女性6~7割程度で、年によって多少の差はありますが基本的に大きな変化はありません。
受験資格別の合格者の過去推移
受験資格別の合格者の推移についても見ていきましょう。
| 年度 | 福祉系大学等卒業者 | 養成施設卒業者 |
|---|---|---|
| 2026年 | 9,047人 | 6,391人 |
| 58.6% | 41.4% | |
| 2025年 | 8,890人 | 6,671人 |
| 57.1% | 41.9% | |
| 2024年 | 11,181人 | 8,869人 |
| 55.8% | 44.2% | |
| 2023年 | 9,079人 | 7,259人 |
| 55.6% | 44.4% | |
| 2022年 | 6,124人 | 4,618人 |
| 57.0% | 43.0% |
毎年、福祉系大学等卒業者の割合の方が少し高くなっていますが、両者に大きな差はありません。
年齢別の合格者の過去推移
続いては年齢区分別の合格者の推移を見ていきます。
| 年度 | ~30歳 | 31~40歳 | 41~50歳 | 51~60歳 | 61歳~ |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 7,273人 | 2,389人 | 3,098人 | 2,098人 | 580人 |
| 47.1% | 15.5% | 20.1% | 13.6% | 3.8% | |
| 2025年 | 6,992人 | 2,616人 | 3,292人 | 2,134人 | 527人 |
| 44.9% | 16.8% | 21.2% | 13.7% | 3.4% | |
| 2024年 | 8,494人 | 3,526人 | 4,380人 | 2,860人 | 790人 |
| 42.4% | 17.6% | 21.8% | 14.4% | 3.9% | |
| 2023年 | 7,081人 | 2,865人 | 3,558人 | 2,211人 | 623人 |
| 43.3% | 17.5% | 21.8% | 13.5% | 3.8% | |
| 2022年 | 5,173人 | 1,811人 | 2,152人 | 1,282人 | 324人 |
| 48.2% | 16.9% | 20.0% | 11.9% | 3.0% |
どの年度でも、30歳未満の合格者が最も高い割合になっていますが、これは高校卒業後に福祉系大学や専門学校に進学した人の合格者が多いことが理由です。
30代以降になると仕事や家事と両立して勉強する人がほとんどになるため、合格者の割合は少なくなるようです。
出典:第38回社会福祉士国家試験合格発表について(社会福祉振興・試験センター)
第37回社会福祉士国家試験合格発表について(社会福祉振興・試験センター)
第36回社会福祉士国家試験の合格発表について(社会福祉振興・試験センター)
第35回社会福祉士国家試験の合格発表について(社会福祉振興・試験センター)
第34回社会福祉士国家試験の合格発表について(社会福祉振興・試験センター)
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まずは社会福祉士国家試験の合格ラインについて解説します。
試験の出題数・解答方式は?
社会福祉士国家試験は129問あり、5つの選択肢から正解を選ぶマークシート形式です。
正解は1つとは限らず、2つ選ぶ多肢選択形式の問題もあるため、問題をよく読むようにしましょう。
問題数は第37回から、129問となり、旧カリキュラムの試験から21問減っています。
第36回まで:150問(共通科目80問、専門科目70問)
第37回から:129問(共通科目84問、専門科目45問)
出題科目は、精神保健福祉士国家試験との共通科目は4科目、社会福祉士国家試験の専門科目は2科目の計6科目です。詳細な試験科目は以下の通りです。
| 科目群 | 試験科目 | 問題数 | |
|---|---|---|---|
| 共通科目 | ① | 医学概論 | 6 |
| 心理学と心理的支援 | 6 | ||
| 社会学と社会システム | 6 | ||
| ② | 社会福祉の原理と政策 | 9 | |
| 社会保障 | 9 | ||
| 権利擁護を支える法制度 | 6 | ||
| ③ | 地域福祉と包括的支援体制 | 9 | |
| 障害者福祉 | 6 | ||
| 刑事司法と福祉 | 6 | ||
| ④ | ソーシャルワークの基盤と専門職 | 6 | |
| ソーシャルワークの理論と方法 | 9 | ||
| 社会福祉調査の基礎 | 6 | ||
| 専門科目 | ⑤ | 高齢者福祉 | 6 |
| 児童・家庭福祉 | 6 | ||
| 貧困に対する支援 | 6 | ||
| 保健医療と福祉 | 6 | ||
| ⑥ | ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) | 6 | |
| ソーシャルワークの理論と方法(専門) | 9 | ||
| 福祉サービスの組織と経営 | 6 |
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和6年度(第37回試験)から適用する社会福祉士試験科目別出題基準(予定版)」
社会福祉士国家試験の概要については、社会福祉士試験の受験資格で詳しく解説しています。
また、社会福祉士の試験情報はこちらをご確認ください。
合格するには何点取ればいい?合格基準点とは?
社会福祉士国家試験に合格するためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
出題基準・合格基準 公益財団法人社会福祉振興・試験センター
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
- 1を満たした者のうち、以下の6科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては2科目群。)すべてにおいて得点があった者。
[1] 医学概論、心理学と心理的支援、社会学と社会システム
[2] 社会福祉の原理と政策、社会保障、権利擁護を支える法制度
[3] 地域福祉と包括的支援体制、障害者福祉、刑事司法と福祉
[4] ソーシャルワークの基盤と専門職、ソーシャルワークの理論と方法、社会福祉調査の基礎
[5] 高齢者福祉、児童・家庭福祉、貧困に対する支援、保健医療と福祉
[6] ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、福祉サービスの組織と経営
129問の60%なので78点以上を取り、なおかつ全ての科目で1問以上正解しなければいけません。ただし、その年の問題の難易度で合格点は補正されます。
また、合格基準点は問題の難易度により前後し、過去6年の合格基準点は以下のようになっています。
| 実施回 | 合格基準点 |
|---|---|
| 第38回 | 50点以上(得点率38.7%) ※科目免除の場合:17点以上(得点率37.8%) |
| 第37回 | 62点以上(得点率48%) ※科目免除の場合:22点以上(得点率48.9%) |
| 第36回 | 90点以上(得点率60%) ※科目免除の場合:41点以上(得点率61.2%) |
| 第35回 | 90点以上(得点率60%) ※科目免除の場合:41点以上(得点率61.2%) |
| 第34回 | 105点以上(得点率70%) ※科目免除の場合:47点以上(得点率70.1%) |
| 第33回 | 93点以上(得点率62%) ※科目免除の場合:40点以上(得点率59.7%) |
| 第32回 | 88点以上(得点率58.7%) ※科目免除の場合:37点以上(得点率55.2%) |
第37回が新カリキュラム科目での最初の試験
社会福祉士養成課程は、2021年から新カリキュラムでの実施が始まり、社会福祉士国家試験については2025年の第37回から新カリキュラムの内容が反映されています。
2025年以降の受験者の方は、新カリキュラムの科目の試験対策が必要になります。
社会福祉士国家試験の難易度について
ここからは社会福祉士国家試験の難易度について見ていきましょう。
社会福祉士の合格率は高い?
社会福祉士の合格率は数年前までは30%前後で、介護福祉士や精神保健福祉士の70%と比べるとかなり低く、難易度の高い資格でした。
ただ近年では55~60%以上の高い合格率で推移しており、合格基準点も低下傾向です。
受験者数は減少傾向の中、合格者数は一定数で推移をしています。
社会福祉士の合格率が低かった3つの理由について解説します。
難易度が高いと言われる理由①:出題範囲の広さ
19科目(新カリキュラム統合後も広範)に及び、1科目でも0点があると不合格になる「足切り制度」が難易度を高める主因です。
高齢、障害、社会保障など幅広い範囲を勉強しなければいけません。
難易度が高いと言われる理由②:問題の難易度が高い
社会福祉士国家試験の問題には、基本的な知識だけでは解けない問題もよく見られます。
聞き慣れない用語が登場したり、深く理解していないと解けない応用問題があったりと問題の難易度が高いのです。
そのため丸暗記だけで合格するのは難しく、深く理解することが重要となります。
難易度が高いと言われる理由③:新カリキュラムの導入
2025年度より、地域共生社会の実現に向けた「地域福祉」や「ソーシャルワーク」の比重が高まり、実務的な思考がより求められるようになったことも難易度が高いと言われる要因の一つです。
どのぐらいの勉強時間が必要?
社会福祉士国家試験は勉強する範囲が広く、必要な勉強時間は300時間と言われています。
1日の勉強時間が1時間の場合、約10ヶ月の勉強期間が必要ということになります。
ただし、必要な勉強時間は個人差が大きく、300時間勉強したからといって必ず合格できるわけではありません。
自分の勉強の進捗状況や理解度を考えて必要な勉強時間を確保することが必要です。
社会福祉士国家試験に合格するための勉強法は?
社会福祉士国家試験に合格するための勉強法を紹介します。
- 過去問の徹底攻略: 直近3〜5年分の過去問を解き、出題パターンと専門用語(LSIキーワード)の理解を深める。
- 新科目への集中対策: 「地域福祉と包括的支援体制」など、新カリキュラムで強化された分野を重点的に学習する。
- スキマ時間の構造化: 通勤中や休憩時間にアプリや単語帳を活用し、暗記項目(人名・年表・法改正)を定着させる。
過去問を解く
具体的な勉強方法としては、過去問を解くのは必須です。
過去問を解くべき理由は以下の通りです。
- 問題の傾向がつかめる。
- 試験でのペース配分を考えられる。
- 苦手分野を理解できる。
模擬試験を受ける
模擬試験を受けると、実際の試験の雰囲気を掴み、時間配分や現時点での自分の実力を知ることができます。
模擬試験は全国各地で実施されているほか、オンラインで受験できるものもあるので、都合に合わせて探してみてください。
模擬試験で重要なのは、結果をその後の学習に活かすことです。
模擬試験の結果が悪かったからといって落ち込む必要はありません。
点が取れていない科目はどれか、時間配分はできていたかなどを振り返り、本番に向けて実力を伸ばしていけるようにしましょう。
スキマ時間を有効に使う
充分な勉強時間を確保するには、通勤・通学時間や休憩時間などいわゆるスキマ時間をどれだけ有効に活用できるかが鍵となります。
少しの時間でもコツコツと積み重ねることで大きな差になるので、うまく活用するのがおすすめです。
このように、過去問は効率的な勉強をするために有効と言えます。
自分に合った勉強方法を見つけるのも大事
社会福祉士国家試験に合格するには、自分に合った勉強方法を見つけて勉強を継続できるかが大きなポイントとなります。
具体的には以下のような勉強方法があります。
- 独学
メリット:自分のペースで学習を進めることができる。
デメリット:分からない問題の解決が難しい場合がある。 - 通信講座
メリット:自分のペースで学習を進めることができる。
メリット:ポイントを絞った効率的な学習ができる。
メリット:分からないことを質問できる。
デメリット:受講料がかかる。 - スクールに通う
メリット:分からない問題を解決しやすい。
デメリット:授業料がかかる、時間が拘束されやすい。
テキストなどを購入して勉強する独学は、自分のペースで勉強できますが、分からないことをすぐに聞けず挫折しやすいデメリットがあります。
スクールは費用がかかり時間も拘束されますが、先生に質問できたり同じ目標を持つ仲間がいるためモチベーションを保ちやすい面もあります。
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方法を見つけると継続しやすくなるでしょう。
働きながら社会福祉士の資格を目指している方向けの記事も公開しているので、仕事と受験勉強の両立を目指している方は参考にしてみてください。
まとめ
社会福祉士国家試験の合格率や勉強方法について解説してきました。
社会福祉士国家試験はここ数年で合格率30%程度から、55~60%まで上がっています。
ただ試験の出題範囲は広く、問題数も多いので、計画的に効率よく勉強する必要があります。
一般的に難易度の高いと言われる社会福祉士の国家試験ですが、勉強で得た知識は相談業務などに役立ちますし、資格を持っていると就職や転職で有利になるケースが多いです。コツコツと勉強すれば働きながらでも取得可能なので、ぜひ目指してみてください。
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