この記事では、精神保健福祉士(PSW)とはどのような資格で、どんな仕事なのかを詳しく説明しています。

「どうすればなれるの?」「社会福祉士との違いは?」といった疑問はありませんか?この記事を読めば、仕事内容や活躍の場、そして国家資格の取得ルートまで、PSWの全体像がはっきりとわかります。

PSWへの理解を深め、あなたのキャリアプランの参考にしてください。

この記事の要点まとめ
  • 精神保健福祉士の具体的な仕事内容を知る
  • 精神保健福祉士になるための必要な知識や心構えを知る
  • 精神保健福祉士の資格取得方法を知る

精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士(PSW / MHSW)とは、精神に障害のある方やそのご家族の相談に乗り、社会復帰や日常生活の支援を行う「精神保健福祉領域のソーシャルワーカー」です。

1997年に施行された「精神保健福祉士法」に基づく国家資格であり、社会福祉士・介護福祉士と並んで「福祉系三大国家資格」の一つと位置づけられています。

病気や障害による生活のしづらさを解消するため、医療・福祉・行政などの関係機関と連携し、クライアントの権利擁護と社会参加を促進することが最大の役割です。

精神保健福祉士の主な仕事内容

精神保健福祉士の業務は、クライアントが抱える課題に応じて多岐にわたります。主な業務プロセスは以下の4つに分類されます。

精神保健福祉士の主な仕事
  1. インテーク(受理面接)とアセスメント クライアントや家族との面接を通じ、生活状況や抱えている課題、ニーズを正確に把握・評価します。
  2. 社会復帰・生活支援 障害年金や生活保護などの経済的支援制度の案内、住居確保のサポート、日常生活スキルの訓練等を行います。
  3. 就労支援 ハローワークや就労移行支援事業所と連携し、個々の適性に合わせた仕事探しから就労定着までのサポートを行います。
  4. 地域移行支援とネットワーク構築 長期入院患者の退院支援(地域移行)や、医療機関・保健所・福祉施設など多職種間の連絡調整(ケアマネジメント)を担います。

精神保健福祉士の年収・給料

精神保健福祉士の年収について詳細な年間推移を公表しているデータはありませんが、精神保健福祉士の指定登録機関である公益財団法人 社会福祉振興・試験センターでの調査によれば、精神保健福祉士の2020年度平均年収は404万円であるとの調査があります。
以下に示した一般労働者との年間賃金と比較すると、高い水準であることが分かります。

2015年に行なわれた同調査では347万円だったため、徐々に年収が向上していることも精神保健福祉士の社会的な地位が向上していることを示していると言えるでしょう。

出典:精神保健福祉士就労状況調査結果(公益財団法人社会福祉振興・試験センター
令和4年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

また「ケア人材バンク」の精神保健福祉士の求人情報の平均月給・年収について集計した以下の記事も合わせてご確認ください。

精神保健福祉士の年収について詳しく知りたい方はこちら

精神保健福祉士の資格保有者数と社会的ニーズ

精神保健福祉士は2023年度までで、全国に1万人以上の登録者がいます。
精神保健福祉士より10年前に生まれた社会福祉士と比較すると登録人数こそ差はありますが、互いに右肩上がりで登録者が増加しています。
福祉業界での三福祉士と言われるだけあって、注目度の高さが伺えるデータです。

出典:資格登録者数の状況(公益社団法人 社会福祉振興・試験センター)

精神保健福祉士を取得したら目指したいダブルライセンスについて興味のある方はこちらも是非ご覧ください。

精神保健福祉士のダブルライセンスについてはこちら

精神保健福祉士になるには?

これまで精神保健福祉士がどのように活躍しているかを解説してきましたが、実際に資格を取得するにはどのようなことが必要になるのでしょうか。

受験方法や受験資格、登録方法を解説します。

精神保健福祉士になるための条件

精神保健福祉士になるには、年1回開催される国家試験に合格し、精神保健福祉士として登録することで名称を使用することができます。
国家試験には受験資格が定められており、毎年9月頃に開始される受験申込手続きにて受験資格の証明を行う必要があります。

時期必要な手続き
6月頃精神保健福祉士の試験概要、受験申し込み手続き予定の発表
7月下旬頃精神保健福祉士国家試験受験の手引き請求開始
8月頃受験の手引き発送開始
9月~10月頃国家試験受験申し込み手続き受付開始
1月末~2月初旬国家試験開催
3月頃合否発表 結果郵送開始
精神保健福祉士国家試験のスケジュール

国家試験は年に1回実施されます。働きながら合格を目指す方も多く、計画的な学習が合格の鍵です。最新の試験日程や、合格者が実践した具体的な学習スケジュールについては、以下の記事で詳しく解説しています。

精神保健福祉士国家試験についてはこちら

「精神保健福祉士国家試験」の受験資格・取得ルート

精神保健福祉士国家資格の受験資格には、様々な資格取得ルートがあります。詳細は以下をご確認ください。

受験資格に、養成施設等での受講が不要なケース

保健福祉系大学
等 4年
指定科目履修
保健福祉系大学
等 3年
指定科目履修
保健福祉系大学
等 2年
指定科目履修
相談援助
実務1年
相談援助
実務2年
受験資格取得

受験資格に、短期養成施設等での受講が必要なケース

保健福祉系大学
等 4年
基礎科目履修
保健福祉系大学
等 3年
基礎科目履修
保健福祉系大学
等 2年
基礎科目履修
社会福祉士
資格登録者※
相談援助
実務1年
相談援助
実務2年
短期養成施設等の受講
(六ヵ月以上)
受験資格取得

※社会福祉士は、受験申込時の申請により一部試験科目免除

受験資格に、一般養成施設等での受講が必要なケース

一般大学等
4年
一般大学等
3年
一般大学等
2年
相談援助
実務1年
相談援助
実務2年
相談援助
実務4年
一般養成施設等の受講
(一年以上)
受験資格取得

出典:精神保健福祉士国家資格_受験資格取得ルート(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)

2025年に実施された「精神保健福祉士国家試験」の最新の合格率が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。

精神保健福祉士の合格率の解説記事はこちら

精神保健福祉士が活躍する主な職場

精神保健福祉士は、医療機関だけでなく、福祉、行政、教育、司法など幅広い分野で活躍しています。

活躍する分野主な施設・機関名
医療分野精神科病院、総合病院(精神科・心療内科)、メンタルクリニック
福祉分野障害者就労移行支援事業所、グループホーム、地域活動支援センター
行政分野精神保健福祉センター、保健所、市区町村の障害福祉担当課
教育・産業分野学校(スクールソーシャルワーカー)、企業のEAP(従業員支援プログラム)
司法分野保護観察所、刑務所、裁判所(精神保健参与員)
精神保健福祉士が活躍できる主な職場

精神保健福祉士の就労先構成比

令和3年に厚生労働省で発表された就労状況調査では、三福祉士の就労におけるデータが示されました。精神保健福祉士は3万人以上の有効回答数が得られ、さまざまな傾向が分析できる調査となりました。
その中で精神保健福祉士の就労先も示され、障がい者福祉・医療機関がそれぞれ25%近くを占めており、専門分野である精神障がいに携わる精神保健福祉士が多いことが分かります。

次いで高齢者施設、行政機関と続きその他の就労先も多岐に渡ることから、精神保健福祉士の就労について多様な働き方ができると言えるでしょう。

出典:社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の「就労状況調査」について

このように多くの職場で「精神保健福祉士」は活躍できます。
またより多くの経験を積むことで、精神保健福祉士として更なるキャリアアップも期待できます。
「ケア人材バンク」のキャリアコーディネーターに聞いた「精神保健福祉士のキャリアアップについての事例」も紹介しています。

どのようなキャリアパスがあるか気になる方はこちらをご覧ください。

精神保健福祉士のキャリアアップ事例紹介

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【体験談】精神保健福祉士のやりがいと大変さ

多様なニーズに応じて支援を行う精神保健福祉士の方々は、どのような場面でやりがいを感じているのでしょうか。
また、精神保健福祉士ならではの大変さとはどんなものなのか、体験談を交えて紹介します。

精神保健福祉士に聞く仕事のやりがい:専門知識と援助がもたらす達成感

相談者や支援者と一緒に悩み、解決に進む一体感を感じられる

人によって悩みは様々なため、似た相談ケースはあっても全く同じケースはありません。相談内容も本人だけの問題ではなくその家族や環境にも影響されるため、毎回新しいアプローチ方法の検討が必要となります。

精神保健福祉士ひとりで解決できる問題は少なく、多職種で相談者の悩みや不安をどのように解決できるかを考えることで、チームとしての一体感が生まれます。アプローチが功を奏し、相談者と一緒に笑顔になれることが一番の喜びです

チャレンジ精神を持って知識を吸収しながら成長できる

どの業種においても時代の流れとともに変化があり、新しいことが次々と生まれます。精神保健福祉士の仕事においても同様で、法改正や新たな治療法やアプローチ方法の発見など、学びの機会が絶えず訪れます。

相談内容は疾患のことから生活のこと、お金に関することなどさまざまで、時には想定していなかった相談内容となることもあります。目の前にいる支援を必要とする方に対し、たくさんの知識の引き出しを持っておくことで多様なケースにも物怖じせず対応しやすくなります。

ケースを重ねることで自分自身の経験値が増え、成長することができます

精神保健福祉士に聞く仕事の大変さ:対人業務ならではの苦労

長期的な支援が必要となることが多いもどかしさ

精神に問題を抱える人にとって、すぐに解決できる方法が見つかることは少ないです。
相談者ご自身で解決できないことがあるからこそ精神的なストレス等を抱え、心が不安定になってしまうことが多いからです。相談者自身の心境の変化や受容に時間がかかることはもちろん、症状の回復と不調を繰り返してしまう疾患もあります。

一朝一夕に支援が終わることがなく長期化することが多いこともあり、自分の支援方法が正しいのか見つめ直す毎日です。

正解のない支援に自問自答する日々

相談者が求める支援は人それぞれで、必ずしも支援者が考える内容が正解とは限りません。
答えを知りたい人、ただ話を聞いてほしい人、自分では決断ができない人など多種多様です。その中で相談者と一緒に悩み、時には選択が必要な場面もあります。
相談者の意思決定を尊重しながらも、専門職として必要な説明を行い、理解してもらった上で選択してもらうことが重要です。

相談者の選択は正しかったのか、提示した選択肢は適切だったのか、そもそも「正しい」とは何なのか…。反省を繰り返しています。

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精神保健福祉士に関するよくある質問(FAQ)

精神保健福祉士と社会福祉士の違いは何ですか?

主な違いは「支援する対象者」と「専門領域」です。
精神保健福祉士(PSW)は、主に「精神に障害のある方」の社会復帰や生活支援に特化した専門職です。

一方、社会福祉士は、高齢者、児童、身体・知的障害者、生活困窮者など、より幅広い人々の生活全般の相談・援助を行います。

どちらも国家資格ですが、専門とする領域が異なります。

精神保健福祉士(PSW)と医療ソーシャルワーカー(MSW)の違いは何ですか?

「国家資格の名称」か「職種(ポジション)の名称」かの違いです。
精神保健福祉士(PSW)は法律に基づく国家資格の名前です。

一方、医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病院などの医療機関で相談援助を行う職種の名前を指します。

MSWとして働く人の多くが、精神保健福祉士や社会福祉士の資格を保有しています。

精神保健福祉士になるには最短で何年かかりますか?

最短「4年」で国家試験の受験資格を得ることができます。
高校卒業後、指定科目がカリキュラムに含まれる「福祉系4年制大学」へ進学し、卒業と同時に受験資格を得るのが最短のルートです。

社会人や一般大学の卒業者の場合は、専門の養成施設(1年〜)に通う必要があります。

精神保健福祉士の平均年収はいくらですか?

精神保健福祉士の平均年収の目安は、約350万円〜450万円です。
初任給は20万円〜23万円程度が一般的です。

ただし、勤務先が公的機関(公務員)か民間施設か、また経験年数や「サービス管理責任者」などの役職に就いているかどうかで、年収は大きく変動します。

精神保健福祉士に向いている人はどんな人ですか?

「傾聴力があり、他者の価値観を尊重して忍耐強くサポートできる人」です。

クライアントの抱える悩みや障害は多様であり、すぐに解決するとは限りません。
そのため、相手のペースに合わせてじっくりと話を聴き、医療機関や行政などの他職種と連携するための「コミュニケーション能力」と「柔軟な調整力」を持つ人が向いています。

まとめ

今回は、精神保健福祉士について解説しました。
専門知識を持って相談支援を行う援助職として、多様なニーズに寄り添う精神保健福祉士は、これからの社会にも必要とされる専門職です。
これから精神保健福祉士取得を目指す方も、精神保健福祉士として転職を検討している方も新たな一歩を踏み出すには少なからず勇気が必要です。

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