「ケアマネの実習はスーツで行くべき?」
「具体的にどんな服装を選べばいいの?」

ケアマネの実務研修を受講し、実習が近づいてくるとこのような悩みを持つ方もいるでしょう。実習では、初めてお会いする利用者様やご家族、実習先のスタッフに安心感を与えられる身だしなみが重要です。

本記事では、ケアマネ実習にふさわしい服装の基本マナーやコーディネート例、注意点などについて詳しく解説します。
服装に関する不安を解消し、安心して実習の準備を進めるため、ぜひ最後までお読みください。

この記事の要点まとめ
  • ケアマネ実習の服装は、利用者様やご家族に安心感を与える「清潔感のあるオフィスカジュアル」が基本
  • スーツは実習初日や挨拶回りには適しているが、場面によっては堅苦しい印象を与えるため、オフィスカジュアルとの使い分けが必要
  • ジーンズやTシャツ、派手な髪色やネイル、強すぎる香水など、清潔感を損なう服装や身だしなみは避けるべき

ケアマネ実習の服装は「清潔感のあるオフィスカジュアル」が基本

ケアマネの実習は、試験に合格後の実務研修の中で行われます。

実際に、実習先のスタッフや利用者様、ご家族など多くの人と関わることになり、専門職としての信頼感と安心感を与える服装が求められます。
そのため「清潔感のあるオフィスカジュアル」が基本です。

なぜオフィスカジュアルが推奨されるのか?

ケアマネ実習でオフィスカジュアルが推奨されるのは、専門職としての「信頼感」と、現場で求められる「動きやすさ」を両立できる服装だからです。

利用者様やご家族のデリケートな相談に応じる際、かっちりとしたスーツでは相手に威圧感を与えかねません。
逆にTシャツやジーンズではプロ意識を疑われ、信頼関係を築きにくくなります。

オフィスカジュアルは、襟付きのシャツやブラウスで「きちんと感」を出しつつ、硬すぎない素材で「親しみやすさ」も演出できます。
訪問や見学で立ったり座ったりする際も動きやすく、利用者様に安心感を与えられるバランスの取れたスタイルと言えます。

事前訪問や実習初日は「スーツ」が最も無難

実習期間中はオフィスカジュアルが基本ですが、実習先への事前訪問や実習初日はスーツを着用するのが無難な選択です。

スーツは、研修に一生懸命取り組もうとする意思を分かりやすく伝えられる服装です。
オフィスカジュアルは人によって解釈が異なるため、自分では適切だと思っていても、相手には「ラフすぎる」と受け取られるリスクがあります。

実習先の職員がカジュアルな服装であっても、実習生がスーツで失礼にあたることはありません。

実習初日は、リクルートスーツや紺・グレーのビジネススーツで臨み、挨拶の際に「明日以降の服装は、オフィスカジュアルでよろしいでしょうか」と確認するのがスムーズです。

【男女別】ケアマネ実習の服装コーディネート例

ここでは、ケアマネ実習にふさわしい服装の具体的なコーディネート例を男女別にご紹介します。
基本は、白・ネイビー・グレー・ベージュなどの落ち着いた色でまとめた「清潔感」と「信頼感」のあるスタイルです。

ケアマネ実習の服装例(男性)

利用者様世代には「襟付き」の服装がきちんとした印象を与えます

白や淡いブルーのシャツに、紺やグレーのジャケットを羽織ると誠実な印象になります。
ボトムスは黒やベージュのチノパンやスラックスを選び、動きやすさも確保しましょう。

靴は黒か茶色の革靴が基本です。

ケアマネ実習時の男性の服装例
  • 襟付きシャツ
  • ジャケット
  • スラックス(またはチノパン)
ケアマネ実習時の服装_男性

ケアマネ実習の服装例(女性)

訪問時は立ったり座ったりする動作が多いため、動きやすいパンツスタイルが実用的です。

白やパステルカラーのブラウスに、紺やベージュのカーディガンを羽織ると、上品さと親しみやすさを演出できます。

スカートを選ぶ場合は、膝が隠れる丈のものにしましょう。

ケアマネ実習時の女性の服装例
  • ブラウス
  • ジャケットまたはカーディガン
  • パンツ(またはスカート)
ケアマネ実習時の服装_女性

これはNG!実習で避けるべき服装・身だしなみの注意点

ケアマネ実習では、OKな服装と同時に避けるべきNGな服装を知ることも重要です。
「このくらい大丈夫」という油断が、実習先のスタッフや利用者様からの信頼を損なう可能性があるため注意が必要です。

【服装編】カジュアルすぎるアイテムは厳禁

ジーンズやパーカー、Tシャツといった日常的な普段着は、ケアマネ実習の場にはふさわしくありません。たとえ実習先の職員がクールビズなどで短パンのようなラフな服装であっても、実習生の立場ではNGです。

実習生は「専門職の卵」として見られています。
ラフすぎる服装は、利用者様やご家族に「プロ意識が低い」「TPOをわきまえない」といった不信感を与える可能性があります

また、ミニスカートや胸元の開いた服など露出が多い服装は実用的でなく、相手を不快にさせる恐れがあるため厳禁です。
シワや汚れのない、清潔感のある服装を徹底しましょう。

服装_NG例
  • 普段着(ジーンズ、パーカー、Tシャツなど)
  • 短パン、ハーフパンツ
  • シワの入ったシャツ など

【靴・カバン編】意外と見られている小物類は控えめに

服装だけでなく、靴やカバンも清潔感が重要です。
特に、利用者様宅への訪問では靴を脱ぐため、足元もよく見られるポイントです。

また、ヒールが高すぎる靴は動きにくく、サンダル履きはマナー違反となります。

靴_NG例
  • かかとがすり減った靴
  • 汚れた靴
  • 穴の開いた靴下
  • ヒールが高すぎる靴
  • サンダル など

カバンは、A4サイズの書類が入る、床に置いたときに自立するビジネス用のものが適しています
派手な色やブランドロゴが目立つもの、カジュアルなリュックサックは避けましょう。

カバン_NG例
  • 派手な色やブランドロゴが目立つ鞄
  • カジュアルすぎるリュックサック など

【身だしなみ編】清潔感を損なうポイントにも注意

清潔感を損なう身だしなみにも注意が必要です。

利用者様と近い距離で接するため、長い爪や大きな指輪が相手を傷つける危険があります。

また、高齢の利用者様のなかには、明るすぎる髪色に抵抗を感じる方や、たばこや香水の強い匂いで気分が悪くなる方もいます
無精ヒゲや派手なメイクも不潔な印象を与えがちです。

長い髪はゴムで一つに束ね、清潔感を第一に考えた身だしなみを心がけましょう

身だしなみ_NG例
  • 派手な髪色
  • 寝癖のついた髪型
  • ネイルアート、長い爪
  • 強すぎる香水
  • たばこの匂い
  • 無精ヒゲ
  • 過度なアクセサリー(指輪など) 

【シーン別】こんな時どうする?ケアマネ実習の服装Q&A

ここでは、実習中に迷いがちな服装の疑問について、シーン別にQ&A形式で解説します。

季節ごとの調整や訪問時のマナー、事前の確認方法など、具体的な対応策を知り、不安なく実習に臨みましょう

夏場や冬場の服装はどう調整すればいい?(クールビズ・防寒対策)

夏はクールビズを意識しつつも、Tシャツは避け、襟付きのポロシャツや半袖シャツを基本とします。冬は保温性の高いインナーを着込み、ジャケットの下に薄手のカーディガンやセーターを重ね着して対応しましょう。

どちらの季節も、着脱しやすい「羽織り物」で調整することを意識してください。
実習先の事業所内と利用者様宅では室温が大きく異なることが多いため、カーディガンなどで体温調節できるようにしておきます。

あくまでオフィスカジュアルの範囲で調整し、夏場は制汗シート、汗取りインナーを用いて汗ジミや匂い対策を意識し、冬場はビジネス用の落ち着いたデザインのコートを選ぶといった配慮も大切です。

利用者さんへの同行訪問がある日の服装は?

利用者様宅への同行訪問では、動きやすさを重視した「パンツスタイル」が適しています。
訪問先では、畳の部屋に通されて正座をしたり、立ったり座ったりする動作が多いためです。スカートは動作の妨げになる可能性があり、スーツは堅苦しいため避けるのが無難です。
襟付きシャツにスラックスやチノパンといった服装がよいでしょう。

また、玄関先で靴を脱ぐため、ローファーやヒールの低いパンプスのような着脱しやすい靴と、清潔な靴下・ストッキングの準備は必須です。
足元は必ず見られるため、穴の開いていない清潔な靴下を着用し、女性はストッキングの伝線に注意して予備をカバンに入れておくと安心です。

なかには、掃除が難しく足の踏み場がないようなお宅に訪問するケースもあります。その際は、簡易的なスリッパや、汚れても大丈夫な靴下を用意しておくのもひとつの方法です。

どうしても服装に迷う…事前に確認しても失礼じゃない?

服装に迷った場合、事前に実習先へ確認することはまったく失礼ではありません。
むしろ、実習先のルールに従おうとする真摯な姿勢が伝わり好印象です。

服装のルールは事業所によって異なるため、不安なまま実習に臨むよりも、事前に確認してスッキリした状態で実習に集中するほうが安心です。

実習の挨拶やその他の連絡を取る際に「実習の際の服装について確認させていただきたいのですが、襟付きのシャツやチノパンのようなオフィスカジュアルでよろしいでしょうか。また、上履きの必要はございますでしょうか」というように、自分なりの基準を示したうえで質問すると相手も答えやすくなります。

実習先の職員がラフな服装…合わせるべき?

実習先の職員がTシャツやジーンズなどラフな服装であっても、合わせるべきではありません。実習生はあくまで「清潔感のあるオフィスカジュアル」を意識してください。

職員の方々はすでに利用者様やご家族との信頼関係が構築されていますが、実習生は「専門職の卵」として常に評価されている立場です。周りに合わせるのではなく、「研修に来ている実習生」としてのマナーを守ることが、あなたの真摯さや職業への敬意を示すことにつながります。

指導担当者から「明日からはもっとラフでいいよ」と具体的な指示があるまでは、スーツもしくはオフィスカジュアルを貫くのが無難です。

まとめ

本記事では、ケアマネ実習にふさわしい服装の基本マナーから、男女別のコーディネート例、避けるべきNGな身だしなみまで詳しく解説しました。

大切なのは、服装や持ち物、髪型やメイクといった身だしなみ全体で「清潔感」を保ち、利用者様やご家族に安心感と信頼感を与えることです。

実習の服装マナーを確実に押さえ、余計な不安を解消することで、実習本番に集中して臨むことができます。

実習を終え、ご自身の希望に沿った職場でケアマネとして活躍したいとお考えなら、ケアマネ・相談員専門の転職支援サイト「ケア人材バンク」にご相談ください。

専任のキャリアパートナーが、あなたのスキルや希望に合った最適な職場探しを無料でサポートします。

※当サイトの情報は、掲載時点での情報に基づいています。また、情報の正確性、最新性を保証するものではありません。