ケアマネの処遇改善が進まない現状「なぜ自分たちは対象外なのか」「給与は今後上がるのか」と不安を感じている方は少なくありません。

現在、国ではケアマネを処遇改善の対象に加える検討が進められています

とはいえ、現時点で対象になるかどうかは、「勤務先の種類」と「事業所の分配・配分ルール」によって大きく異なるのが実情です。

本記事では、最新の制度を整理し、制度改正を待たずに給与を上げる具体的な方法を解説します。

この記事の要点まとめ
  • 【注目】2026年6月の「臨時改定」で、ついに居宅ケアマネも処遇改善の対象へ
  • 2025年12月からの先行支援で、ケアマネも1万円の賃上げが可能
  • 処遇改善加算は「ICT導入」「職場環境改善」などの勤務先の対応力がカギ

ケアマネジャー(介護支援専門員)は処遇改善の対象になる?

2026年1月16日、厚生労働省の社会保障審議会(介護給付費分科会)にて、これまで対象外とされていた居宅介護支援事業所への「処遇改善加算」の新設が正式に決定しました。

注目されていた加算率は「2.1%」に設定され、訪問看護(1.8%)などを上回る評価となりました。
これにより、2026年6月の介護報酬改定から、いよいよケアマネジャーの本格的な賃上げがスタートします。

2026年6月の居宅介護支援の処遇改善加算ポイント
  • 加算率:2.1%(総報酬額に対する上乗せ)
  • 対象: 居宅介護支援、介護予防支援
  • 要件: 職場環境の改善や、生産性向上(ケアプランデータ連携システムの活用など)への取り組み

ケアマネが処遇改善の対象になるかどうかは、サービス種別や勤務先の条件によって異なります
これまでの仕組みでは、加算の対象はあくまで「介護職員」が中心でした。

そのため、介護職員を兼務して算定要件を満たす「施設ケアマネ」は対象になりやすい一方、専任の「居宅ケアマネ」は対象外となるケースが大半でした

本来、介護報酬改定は3年に1度(次回は2027年)ですが、臨時改定として、2026年(令和8年)6月に、これまで対象外だった居宅介護支援事業所も正式に「介護職員等処遇改善加算」の対象に含まれます。

ただし、キャリアパス要件や職場環境の整備といった、介護職員等処遇改善加算の要件のクリアは必要です。
そのため、勤務先が対応できるかどうか、確認が必要です。

出典:令和8年度介護報酬改定について(厚生労働省)
出典:令和8年度介護報酬改定に関する審議報告(厚生労働省)
出典:介護人材確保に向けた処遇改善等の課題(厚生労働省)

【最新】令和6年度改定と「介護職員等処遇改善加算」の影響

令和6年度の介護報酬改定は、制度の大きな転換点でした。

ここでは、加算一本化の影響と、当時話題になった「月額6,000円」の補助金、そして2026年に向けた最新動向を解説します。

3つの加算が「一本化」されたことによる変化

介護職員に対する処遇改善は、制度の改正を重ね、以下のような3つの加算に分かれていました。

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員等特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算

2024年6月、この3つの加算が新しく「介護職員等処遇改善加算」として一本化されました
複雑な事務作業の負担を軽減し、算定率を上げることが主な目的です。

しかし、一本化後も「介護職員への配分を基本とする」というルールは維持されました。
制度上は、職種間の賃金バランスを考慮してケアマネへの柔軟な配分も認められていますが、多くの事業所では、加算額のほとんどが介護職員の賃上げ原資となっています。

その結果、介護老人福祉施設(特養など)で介護職員を兼務する場合などを除き、居宅ケアマネは対象外のままで、現場には根強い不公平感が生じました。

出典:令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)

「月額6,000円」の補助金と分配の壁

新加算への移行に先立ち実施された「6,000円(月額)相当の賃上げ」においても、居宅ケアマネは対象外とされました。
この補助金は旧加算の枠組みをベースにしており、直接処遇を行う職員への支給が最優先されたためです。

施設勤務であれば法人全体の経営判断で、ケアマネにも支給されるケースもありましたが、居宅介護支援事業所はそもそも制度の対象外でした。
「同じ介護の仕事なのになぜケアマネは対象外なのか?」というこのときの強い不満も、現在深刻化している「ケアマネ離れ」や、なり手不足を加速させる大きな要因と言われています。

出典:介護職員処遇改善支援補助金(厚生労働省)

2026年に向けた「対象拡大」と緊急支援般(介護従事者全般)

これに先立つ2025年度の緊急支援では、月額1万円〜最大1.9万円程度の賃上げが検討されており、一部はケアマネも対象に含まれる方向です。

支援項目金額(月額)要件
基本支援10,000円申請のみでOK
生産性向上+5,000円ケアプランデータ連携システム等の導入 など
※ケアマネ対象外
職場環境改善+4,000円職場環境等の改善計画・実施
※ケアマネ対象外
合計最大19,000円注意:ケアマネは10,000円が対象

※最大額(1.9万円)は、上乗せ要件を満たした介護職員を想定した金額です。
ケアマネについては、現時点では「基本支援(月額1万円)」が主な適用範囲となる見通しです

なお、この賃上げ策全体では「ケアプランデータ連携システムの活用」など、生産性向上への取り組みが評価の鍵とされています。
つまり、ICT化(ケアプランデータ連携など)に対応していない事業所では、月額5,000円分が支給されないことになります。

こちらは事業所全体への交付額を算出するための基準単価です。
実際の個人の手取り額は、事業所の職員数や配分方法によって変動します。(必ずしも全員が一律1万円アップするわけではありません)
事業所側で申請を行い、賃金改善計画に基づいて支給される仕組みです。

出典:「医療・介護等支援パッケージ」及び「重点支援地方交付金」の双方の活用について(厚生労働省)

なぜ「居宅ケアマネ」は処遇改善の恩恵を受けにくいのか

専門性が高い仕事にもかかわらず、居宅ケアマネの給料がなぜ上がりにくいのか、ここでは、その理由を3つに分けて解説します。

理由1:介護職員への配分を優先しているため

これまでの処遇改善加算の算定要件は、あくまで現場で直接的な身体介護や生活援助を行う「介護職員」の確保を最優先としていました。
制度上、ケアマネは「介護職員」とは別の専門職として扱われるため、加算の主な対象から外れていました。

特定処遇改善加算のように、事業所の判断で他職種へ配分できるルールもありましたが、優先順位は「経験・技能のある介護職員」でした。
限られた原資を配分する際、他職種に比べてケアマネへの配分はどうしても後回しにされがちだったのが現実です。

理由2:居宅介護支援がそもそも処遇改善の「対象サービス外」であるため

居宅介護支援事業所というサービス自体が、これまで処遇改善加算の対象外だったことです。

特養や老健などの施設サービスとは異なり、居宅介護支援事業所にはそもそも賃上げの原資となる加算収入が入ってきません。

一方で、「特定事業所加算」を取得している事業所は、処遇改善加算の対象外であっても給料が高い傾向にあります。
この加算は、以下のような対応を評価する加算です。

  • 質の高いケアマネジメント
  • 24時間対応
  • 困難事例への取り組み

この加算を算定できている事業所は、経営体力があり給与水準も高い傾向にあります。
逆に言えば、この加算を取れていない事業所では、基本報酬のみで運営しなければならず、ケアマネの給与を上げるための原資を確保するのが難しくなります

理由3:「財源確保」と利用者負担の調整が困難なため

ケアマネを新たに処遇改善の対象に加えるには莫大な予算が必要であり、その財源確保が困難だったことも大きな理由です。

介護報酬は公費(税金)と40歳以上が支払う保険料で賄われているため、報酬アップはそのまま現役世代の負担増につながります。

また、利用者様の自己負担割合(1割から2割への対象拡大など)の議論とも密接に関わっており、政府が慎重な姿勢を崩さなかったことも影響しています。

2026年の改定で居宅も対象になる見通しが立ったのは、なり手不足により制度自体が崩壊しかねないという、国の強い危機感の表れと言えるでしょう。

制度を待たずにケアマネが給与(処遇)を上げる3つの方法

2026年の制度改定により、ケアマネジャーも処遇改善の対象となる見通しですが、実際に給与へ反映されるまでにはまだ時間がかかります。

ここでは、国の施策をただ待つだけでなく、自発的なアクションで給与(処遇)を改善するための3つの方法を提案します。

上位資格の取得・管理者への昇格

最も堅実な方法は、自身の専門性を高めて「役職」につくことです。

主任介護支援専門員(主任ケアマネ)の資格を取得すれば、資格手当による月額給与のアップが期待できます
さらに、事業所の管理者要件を満たすことで「管理者手当」も上乗せされ、年収のベースを上げられるでしょう。

主任ケアマネの配置は、事業所が加算を取得するためにも不可欠な要素です。
そのため、資格取得者を優遇する法人は多く、キャリアアップや好条件での転職にも有利に働きます。

▶主任介護支援専門員に関する詳しい解説は、別記事『主任ケアマネジャーになるには?要件・研修・役割・年収まで完全解説』をご参照ください。

上位の処遇改善加算を算定している施設へ転職

現在の制度構造上、居宅ケアマネよりも特養や老健などの施設ケアマネのほうが給与が高い傾向にあります。

施設の場合、法人全体の経営判断で、加算の一部をケアマネに柔軟に配分することが認められています
実際に、月額の手当が支給されているケースは少なくありません。

また、施設ケアマネは介護業務を兼務することも多く、その場合は夜勤手当や早番・遅番手当などが加算されることがあるため、結果として手取り額が大きく増えるのが特徴です。

経営基盤が安定している法人への転職

法人の「経営方針」や「取得加算」を見極めて転職することも重要な戦略です。
特に注目すべきは「特定事業所加算」を取得しているかどうかです。

この加算を算定している事業所は、質の高いケアマネジメントや24時間対応などが評価されており、経営体力が安定しています。

加算によって得た収益が、職員の基本給や賞与に還元されやすいため、比較的高水準の給与が維持されているケースが多いです。
また、規模の大きな法人では、独自の財源でケアマネにも処遇改善分を配分している場合もあります。求人票を見る際は、給与額だけでなく「加算の取得状況」もチェックしましょう。

よりよい転職先を探す際は、転職エージェントの活用がおすすめです。
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ケアマネ処遇改善に関するよくある質問(FAQ)

ケアマネジャーはいつから処遇改善の対象になりますか?

2026年6月の介護報酬改定から、ケアマネジャーの本格的な賃上げがスタートします。加算率は「2.1%」に設定され、訪問看護(1.8%)などを上回る評価となりました。
2026年1月16日の厚生労働省の社会保障審議会(介護給付費分科会)にて、これまで対象外とされていた居宅介護支援事業所への「処遇改善加算」の新設が正式に決定した形となります。

なぜこれまで居宅ケアマネジャーは処遇改善の対象外だったのですか?

主な理由は、従来の制度が「直接的な身体介護を行う介護職員」の確保を最優先としていたためです。
また、居宅介護支援事業所というサービス種別自体が、これまで処遇改善加算の算定対象外であったことも大きな要因です。

ケアマネジャーの処遇改善によって給料はいくら上がりますか?

2026年6月以降は、月額およそ7,000円〜10,000円程度の賃上げが見込まれます。

具体的には、時期によって以下の2段階で実施されます。

1.2025年12月〜2026年5月(先行期間) 補助金により、月額平均 10,000円相当の支援が行われます。
ただし、これは事業所単位での交付となるため、個人の手取り額は事業所の配分方針によって異なります。

2.2026年6月以降(新制度スタート) 居宅介護支援事業所向けに新設される「処遇改善加算(加算率 2.1%)」へ移行します。
この2.1%を給与に換算すると、事業所の総報酬額や個人の基本給にもよりますが、概ね月額7,000円〜10,000円前後のアップになる計算です。

まとめ

今後、制度による処遇改善も期待されますが、それが自身の給与に反映されるのをただ待つだけでは、解決までに時間がかかってしまいます。

自ら「自分を高く評価してくれる環境」へ動くことが、給与アップの近道になります。

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