福祉業界でキャリアアップを目指す中で、「サービス管理責任者(サビ管)」と「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の違いが気になっている方も多いのではないでしょうか。

どちらも支援計画書を作成する専門職ですが、対象となる分野や役割、資格要件には明確な違いがあります

本記事では、仕事内容・資格要件・年収・キャリアパスまで徹底比較し、自分に合った選択ができるよう解説します。

この記事の要点まとめ
  • サービス管理責任者(サビ管)は、障がい者福祉を対象に個別支援計画を作成・管理し、スタッフ指導や事業所全体の支援の質向上を担う専門職。
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)は、高齢者福祉を対象にケアプランを作成し、介護サービスの調整を行う専門職。
  • 働く場所やキャリアパスも異なり、ケアマネは居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、サビ管は障がい福祉サービス事業所などで活躍する。

【比較表】サービス管理責任者とケアマネジャーの違い 

まずは両者の違いを一覧で整理します。

項目サービス管理責任者
(サビ管)
ケアマネジャー
(介護支援専門員)
主な対象者高齢者障がいのある方
(18歳以上が対象)
分野高齢者福祉障がい者福祉
根拠法介護保険法障害者総合支援法
作成する書類ケアプラン個別支援計画
必要な資格・実務経験5年かつ900日以上
・ケアマネ試験に合格
・ケアマネ実務研修の修了
・実務経験(3〜8年)
・基礎研修+実践研修の修了
主な職場居宅介護支援事業所
施設(老健・特養)
など
就労支援事業所
グループホーム
障がい者施設
など

サビ管(サービス管理責任者)は、障がい福祉サービス事業所で働き、利用者の個別支援計画を作成し、事業所内の支援全体を管理する役割です。
いわば「障がい者支援のプロ」と位置づけられています。

 一方、ケアマネ(介護支援専門員)は、主に高齢者の介護保険サービスを調整し、ケアプランを作成して複数の事業所と連携しますいわば「高齢者支援のプロ」と位置づけられています。
どちらも計画作成が重要な仕事ですが、対象者や制度の根拠、働く場所が異なります。

出典:サービス管理責任者の要件となる実務経験について(千葉県庁)
サービス管理責任者等研修制度について(厚生労働省)
介護支援専門員(厚生労働省)

仕事内容と役割の違い 

ケアマネジャーとサービス管理責任者の仕事内容の違いは以下の通りです。

ケアマネジャー
(介護支援専門員)
サービス管理責任者
(サビ管)
主な役割ケアマネジメント(サービス計画・調整)支援計画作成とサービス全体の管理
利用者へのアセスメント身体状況・環境・生活歴を把握し、必要な支援を導く生活状況・健康状態・支援ニーズを直接確認し、計画や方針に反映
計画作成ケアプラン
(どのサービスをどのくらい利用するか)
個別支援計画
(支援内容や目標を生活状況に合わせて作成)
サービス調整・連携サービス事業所や地域、家族との調整、利用開始手続き職員間・関係機関・家族との連携、計画通りにサービス提供を管理
モニタリング・評価定期確認し、サービス内容を必要に応じて見直す支援経過を評価し、計画を見直してより良い支援に改善
特徴多職種・地域との連携・調整役が強く、自立支援のためにサービスを組み立てる支援全体を統括する管理者的役割が強く、スタッフ育成や計画実行管理も担当

ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャー(介護支援専門員)の主な役割は「ケアマネジメント」です。
高齢者が安心して生活できるように、介護サービスの計画を立て、調整する仕事です。

主な業務は、以下の通りです。

  • 相談対応(アセスメント)
    利用者やご家族から、介護に関する悩みや希望を聞きます。利用者の身体状況や環境、生活歴を把握し、ニーズを導き出し必要な支援を考えます。
  • ケアプラン作成
    どんなサービスをどのくらい利用するか計画(ケアプラン)を作ります。
  • サービス事業所との調整
    訪問介護やデイサービスなどと連絡を取り、利用開始の手続きをします。利用開始時に、サービス担当者会議を開催します。
  • モニタリング(定期確認)
    サービスが合っているかを定期的に確認し、必要に応じて見直します。
  • 給付管理業務
    利用したサービス内容を確認し、介護保険の請求に関する事務を行います。

特徴は、多職種や地域との連携・調整役という側面が強いことです。
利用者の自立支援を目指し、最適なサービスを組み立てます。

ケアマネの基礎知識については、ケアマネジャーとは?仕事内容・資格・年収まで徹底解説 もあわせてご覧ください。

サービス管理責任者の仕事内容

障がいのある方が安心して自立した生活を送れるように、支援計画を作り、サービス全体を管理するコーディネーターです。
主な業務は以下の通りです。

  • 利用者への直接的なアセスメント
    利用者やご家族の状況、希望などを把握し、個別支援計画の作成や支援方針の決めます。
  • 個別支援計画の作成
    利用者の希望や生活状況に合わせて、支援内容や目標を計画にまとめます。
  • 支援内容の管理・調整
    職員間での役割分担や支援方法を調整し、計画通りにサービスが提供されるように管理します。
  • 関係機関との連携
    医療機関や福祉サービス、ご家族と連絡を取り、必要な支援や情報を共有します。
  • 支援経過の評価・改善
    支援の効果や課題を定期的に確認し、計画を見直してより良い支援に改善します。
  • スタッフへの指導・助言

スタッフが利用者に適切な支援を提供できるよう、日常の業務や支援方法について指導・助言を行います。
具体的には、支援計画の理解や手順の確認、困難なケースへの対応方法などをサポートします。また、スタッフ間の情報共有や連携を促し、支援の質を維持・向上させる役割も担います。

ケアマネと同様「計画作成」が軸ですが、サビ管は施設内の支援体制の質管理や職員指導というマネジメント要素がより強いのが特徴です。

サービス管理責任者については【2025年度版】サービス管理責任者(サビ管)になるには?資格取得、実務経験、要件を解説も参考にしてください。

資格要件とキャリアパスの違い 

ケアマネとサビ管には、それぞれの資格に必要な実務経験と資格取得までの流れがあります。

ケアマネジャー
(介護支援専門員)
サービス管理責任者
(サビ管)
必要資格国家資格または、相談援助業務の一定以上の実務経験が必要国家資格は不要、福祉・医療関連の実務経験が必要
(例:社会福祉士、介護福祉士、保育士等でも可)
必要実務経験原則5年以上かつ900日以上の介護・相談業務経験3〜8年以上の障がい者支援・相談業務経験
(資格により短縮可能)
研修・試験・介護支援専門員実務研修受講試験に合格
・実務研修修了
サービス管理責任者基礎研修+実践研修の修了が必須
配置職場居宅介護支援事業所
地域包括支援センター
など
障害者施設
(就労支援・生活介護・グループホーム等)
など
キャリアパス(例)介護現場 → ケアマネ → サービス管理者、主任ケアマネ、地域包括支援センター職員障害福祉現場スタッフ → サビ管 → 管理職
(施設長や事業所管理者)

ケアマネジャーの資格取得

  1. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格
    ケアマネジャー(介護支援専門員)を受験するには、まず介護福祉士や看護師、社会   福祉士、精神保健福祉士などの国家資格または指定資格を持っていることが必要です。
    一定の相談業務の経験も受験資格要件となります。
    さらに、その資格に基づく業務に通算5年以上かつ900日以上従事した実務経験が求められます。
    受験に合格した後は、介護支援専門員実務研修を修了することで正式にケアマネジャーとして登録され、ケアプラン作成やサービス調整の業務を行えるようになります。
  2. 実務研修の修了
    介護支援専門員実務研修は、受験に合格した後に受講する研修で、ケアマネとして必   要な実務能力を身につけることが目的です。
    研修では、ケアプランの作成方法やサービス調整の手順、利用者や家族との面談の進   め方など、実務に直結する知識と技能を学びます。
  3. 配置職場
    ケアマネジャー(介護支援専門員)は、主に高齢者向けの居宅介護支援事業所や地域   包括支援センター、高齢者施設に配置され、利用者のケアプラン作成やサービス調整、関係機関との連絡・連携を担当します。

受験には一定の実務経験が必要です。
国家資格ではありませんが、公的資格として専門性が高く評価されています。

試験については、ケアマネジャー試験の受験資格、申込方法、受験対策まで詳しく解説をご確認ください。

サービス管理責任者の資格取得

  1. 一定年数の実務経験
    相談支援業務に従事した場合
    約 5年以上の実務経験が必要(相談支援事業所等で支援・助言の業務に従事した経験)
    直接支援業務に従事(無資格)した場合
    約 8年以上の実務経験が必要(障がい福祉サービスの現場での支援・介助業務など)
    特定の国家資格等を持つ場合
    医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士などの国家資格を持つ場合は、資格に基づく業務+相談・支援業務を合わせて通算3年以上の経験 でも要件を満たせる場合があります。
    ※実務経験として認められるには、1年あたり180日以上 の従事日数が必要です。
  2. 相談支援従事者初任者研修
    サービス管理責任者の相談支援従事者初任者研修は、障がい福祉サービスで働く上で必要な基礎知識とスキルを学ぶ研修です。
    研修では、障がいの理解や支援計画の作成、利用者との面談方法、関係機関との連携などの実務の基本を習得します。
    修了することで、相談支援や個別支援計画作成の補助業務に必要な基礎力を身につけることができます。
    ※サビ管に必要な、相談支援従事者初任者研修は一部日程となります。
  3. サービス管理責任者基礎研修の修了
    サービス管理責任者の基礎研修は、障がい福祉サービスにおける支援管理の基本を学ぶ研修です。
    研修では、個別支援計画の作成方法や支援の評価・改善、関係機関との連携、職員への指導の基本などを習得します。
    これを修了することで、サビ管として必要な知識を身につけ、実践研修に進む準備が整います。
  4. サービス管理責任者実践研修の修了
    サービス管理責任者の実践研修は、基礎研修で学んだ知識を実際の支援業務に活かすための応用研修です。
    研修では、個別支援計画の作成や支援の調整・管理、利用者や家族との面談の実践、ケース検討などを通して実務能力を高めます。
    これを修了することで、サビ管として現場での計画作成やスタッフ指導など、実務に直結する役割を果たせるようになります。

サビ管には筆記試験はありませんが、実務経験のカウント方法が複雑で、分野や職種ごとに細かい要件があります。その分、現場経験を重ねながらキャリアアップできるのが特徴です。

サビ管についての詳しい情報は、以下をご参照ください。

サービス管理責任者(サビ管)になるには?資格取得、実務経験、要件を解説

給料・年収相場の比較 

厚生労働省の調査によると、いずれも現場の介護職より平均年収は高い傾向にあります。

ケアマネジャーの年収

平均年収:約417.3万円

地域差、経験年数、手当等にもよりますが、平均年収は約400万円~450万円程度です(企業規模計(10人以上)のケアマネの年収は417.3万円)。

平均年収についての詳しい情報は、以下をご参照ください。
ケアマネジャーの平均年収、給料はいくら?

今までケアマネは、介護職員等処遇改善加算の対象外であったため、介護職員のほうが給料がよい方もいました。
しかし、2026年6月からは、居宅介護支援事業所も介護職員等処遇改善加算の対象となるため、ケアマネの実質賃上げにつながり、年収アップが期待されています。

また、ケアマネの働く先は、大きく分けると「居宅」か「施設」に分かれます。

施設で働く場合、介護職員や夜勤、宿直等を兼務することもあり、手当がつくため居宅介護支援事業所より給料が高い場合もあります。
居宅介護支援事業所であっても、管理者になれば管理者手当、事業所によっては携帯の持ち回りがあり、オンコール手当がつく場合もあります。

出典:厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
出典:介護保険最新情報Vol.1474(厚生労働省)

サービス管理責任者の年収

平均年収:約486.5万円

サビ管の給料は、福祉業界の中では、高水準と言われています。
サビ管は、資格を取得するまでの実務経験を積むことが大変なこともあり、需要が高い職種です。
そのため、給料も高水準となっています。また、サビ管は、事業所の中核ポジションであるため、待遇が比較的安定している傾向があります。

サビ管についての詳しい情報は、以下をご参照ください。
サービス管理責任者の年収はどのくらい?今後ますます社会的ニーズの高まる「サビ管」の給料を徹底調査

小規模な事業所では特に、サビ管と管理者を兼務することもあります。
そのため、管理者手当がつくこともあり、給料水準が上がる場合もあります。
給料は上がりますが、管理者と兼務する場合は、利用者支援だけでなくスタッフのこと、事業所全般のことを見ないといけないので、大変な部分もありますが、やりがいのある仕事でもあります。

サビ管の配置基準・兼務についての詳しい情報は、以下をご参照ください。
サービス管理責任者(サビ管)の配置基準・兼務/2人目サビ管のみなし配置要件とは

出典:令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)

あなたに向いているのはどっち?職種選びの判断基準 

どちらの職種もとてもやりがいのある仕事です。
ここまでそれぞれの違いを見てきましたが、どちらが自分に向いているのか職種選びの判断基準をみていきましょう。

ケアマネに向いている人のはどんな人?

高齢者福祉に関心がある人

ケアマネの対象とする利用者は高齢者です。
2040年代まで高齢者の数は増えると言われており、今後もケアマネは高齢者を支えるチームの中心となる重要な存在で、とてもやりがいのある仕事です。

高齢者の生活を支えたい、介護しているご家族の支援をしたい、介護問題に向き合いたいような方は、ケアマネに向いているでしょう。

地域連携や調整業務が得意な人

ケアマネは、多職種、地域との連携、調整業務が多いです。
人と人をつなげ、時には間に入り、チームをまとめていかなければなりません。チームをまとめることは大変である一方、自分が中心となりチームを作り、利用者を支えていくのは、とてもやりがいがあります。

医療職や介護職との連携や調整等が苦にならない人、得意な人はケアマネとして働くのもよいでしょう。

自立支援を長期的に支えたい人

介護保険は「自立支援」という考えが基本になります。
今できていることを続けること、少しの手伝いで自分でできることを増やす、早めのフレイル予防で、要介護状態にならないための予防計画を立てる等、自立支援を長期的に支えることもケアマネの大切な役割です。

デスクワークや書類業務が苦にならない人

ケアマネは、やるべきことをしているか、説明責任をきちんと果たしているか等、記録や書類から運営基準を満たしているかを確認されるため、デスクワークや書類業務が意外と多いです。

利用者対応も大切ですが、効率良く事務作業を行っていく必要があるため、デスクワークや書類業務が苦手でない人のほうがよいです。

ケアマネは利用者個人の支援だけでなく、利用者個人の課題から地域課題、地域資源開発へ繋げていく役割も担っています。

地域包括ケアシステムの中心となり、「地域全体を支える専門職」としてのやりがいがあります。

サビ管に向いている人はどんな人?

障がい者福祉や就労支援に興味がある人

サビ管の対象とする利用者は、障がいのある方で、ケアマネの対象者と比べると年齢も若いです。

これからの長い人生をどのように過ごすのか、社会復帰するためにどのように支援していけばよいのか等をご本人やご家族と一緒に考え、支援のできるやりがいのある仕事です。

利用者と深く関わりたい人

生まれつき障がいのある方もいたら、途中から障がい者になった方もいます。

ご本人、ご家族と障がいを受け入れ、次の道に進んで行く支援を一緒に考えていく専門職であり、利用者、ご家族と深く関わりをもつ専門職です。

チーム育成や指導に関わりたい人

サビ管は、支援員とチームの中心となり、利用者の支援を行います。利用者と一緒に考えた個別支援計画を実行できるように、チームをまとめていきます。管理者業務を兼務することもあるため、支援員を指導する立場になることもあり、人材育成にも携われます

支援の質向上に携わりたい人

支援内容を確認したり、職員研修を実施し、事業所全体のサービスの質を維持、向上させる役割も担っています

自分の頑張りで、事業所の資質を向上させることに繋げることもでき、やりがいのある仕事です。

サビ管は、事業所の中核としての専門性とマネジメント力が求められます
利用者支援、事業所内のマネジメント、どちらも簡単にできるものではありませんが、チームの中心となり活躍できる専門職です。

ケアマネ、サビ管どちらを選んでもやりがいがあり、福祉業界でのキャリアとして価値は高いです。

まとめ 

サービス管理責任者(サビ管)とケアマネジャーの違いを再確認しながら、どちらがよいか考えていきましょう。

  • 支援対象の違い(高齢者福祉/障がい者福祉)
  • 作成する計画書の違い(ケアプラン/個別支援計画)
  • 資格取得のプロセスの違い

ここまでいろいろと記載しましたが、自分に合った最適な職場選びのために大切なのは、「資格が取りやすいか」ではなく、「誰を、どう支えたいか」です。
福祉は、「人」を支える仕事です。その中でも、誰をどのように支えたいか、は人それぞれ違い、自分以外に答えを知っている人はいません。しかし、誰かに相談することはできます。

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