児童発達支援センターと児童発達支援事業所は、どちらも障がいのある子どもへの療育を行う施設ですが、「何がどう違うのか」「働く側にとってどんな差があるのか」は分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、児童発達支援センターの役割や事業所との違い、人員配置や働く環境、メリット・デメリットを整理しながら、転職を考えるうえで押さえておきたいポイントを解説します。
自分に合った施設形態を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
児童発達支援センターとは?
児童発達支援センターとは、障がいのある子ども一人ひとりへの療育を行うと同時に、地域全体の障がい児支援を支える「中核機能」を担う施設です。
一般的な児童発達支援事業所が子どもへの直接療育を主とするのに対し、センターは保護者からの相談対応や、地域の保育所・事業所への助言・支援など、地域支援のハブとしての役割を持つ点が大きな特徴です。
近年(令和6年前後)の制度改正では、こうした専門的機能の強化が求められており、より高い専門性や多職種連携のスキルを身につけられる職場として注目されています。
児童発達支援センターと児童発達支援事業所の違い
児童発達支援センターと児童発達支援事業所は、どちらも障がいのある子どもへの療育を行う施設ですが、役割や体制には大きな違いがあります。
特に「地域との関わり方」や「人員配置」「食事提供の有無」は、働く側の業務内容や負担感にも直結するポイントです。
ここでは、求職者の視点で両者の違いを比較していきます。
担う役割の違い
児童発達支援センターと児童発達支援事業所は、どちらも療育を提供する点では共通していますが、担っている役割の範囲には大きな違いがあります。
事業所が主に「利用する子ども一人ひとりへの個別療育」を行うのに対し、センターは療育に加えて、地域の支援体制そのものを支える役割も担います。
まずは、両者の役割の違いを整理してみましょう。
| 項目 | 児童発達支援センター | 児童発達支援事業所 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 療育+地域支援・施設支援 | 利用児童への個別療育が中心 |
| 支援対象 | 利用児童・保護者・地域の関係機関 | 主に利用児童・保護者 |
| 相談対応 | 地域からの相談対応あり | 原則、利用者対応のみ |
| 地域との関わり | 地域の保育所や事業所への助言・相談対応など、地域支援を役割として担う | 利用児童に関わる範囲で、園や関係機関と情報共有・連携を行う |
規模・定員・人員配置基準の違い
児童発達支援センターと児童発達支援事業所では、施設の規模や定員、人員配置基準に違いがあります。
特にセンターは「地域の中核機関」としての役割を担うため、事業所と比べて規模が大きく、専門職を含めた人員体制が手厚く整えられている点が特徴です。
こうした体制の違いは、日々の業務分担や働きやすさにも影響します。
| 項目 | 児童発達支援センター | 児童発達支援事業所 |
|---|---|---|
| 施設規模 | 比較的規模が大きい施設が多い | 小〜中規模の施設が中心 |
| 定員 | 全国一律の上限はなく、施設や自治体によって異なるが、10〜20人程度で運営されるケースが多い | 定員10名前後の小規模運営が一般的 |
| 人員配置基準 | 地域の中核機関として、児発管・保育士・児童指導員に加え、栄養士や調理員などの専門職が配置される場合がある | 児発管・保育士・児童指導員を中心とした体制が基本 |
| 配置される職種 | 専門職による分業が進み、療育に集中しやすい環境 | 少人数体制で複数業務を兼務することが多い |
食事提供の違い(自園調理・栄養士配置の有無)
児童発達支援センターと児童発達支援事業所では、食事提供の有無や方法にも違いがあります。
特にセンターでは、給食提供を前提とした運営を行う施設も多く、栄養士や調理員が関わる「自園調理」を通じて、食育の視点を取り入れた支援が行われるケースがあります。
一方、事業所では弁当持参やおやつのみの提供といった形が一般的で、施設の運営方針や規模によって対応が分かれます。
違いは、子どもへの支援内容だけでなく、職員の業務負担にも影響します。
| 項目 | 児童発達支援センター | 児童発達支援事業所 |
|---|---|---|
| 食事提供 | 給食提供を行う施設が多い | 弁当持参やおやつのみの場合が多い |
| 調理体制 | 自園調理を行い、栄養士・調理員が関わる場合がある | 調理設備を持たない施設が多い |
| 食育の位置づけ | 食事を通じた食育・生活支援を重視 | 療育が中心で、食事支援は限定的 |
| 職員の業務負担 | 調理業務を専門職が担い、分業が進みやすい | 職員が準備や対応を兼務する場合あり |
働く側から見た現場環境の違い
児童発達支援センターと児童発達支援事業所では、日々の働き方や業務の進め方にも違いがあります。
人員体制や役割分担の考え方によって、療育に集中できる環境か、幅広い業務を担う環境かが分かれる点は、転職を考えるうえで重要なポイントです。
ここでは、働く側の視点から現場環境の違いを整理します。
| 項目 | 児童発達支援センター | 児童発達支援事業所 |
|---|---|---|
| スタッフ数 | 人員配置が比較的手厚く、分業体制が整っている | 少人数体制で、複数業務を兼務することが多い |
| 業務範囲 | 療育・相談・地域連携など役割が分かれている | 療育を中心に、送迎や事務なども担う場合あり |
| 療育への集中度 | 療育や支援計画に集中しやすい環境 | 現場対応と並行して業務を行う場面が多い |
| 職場の雰囲気 | 組織的・チームで支える体制 | 小規模ならではの柔軟な対応 |
| 向いている人 | 専門性を高めたい人、チームで働きたい人 | 子どもと近い距離で関わりたい人 |
医療機能の有無による支援体制の違い
児童発達支援センターは、令和6年4月の報酬・基準改定により、制度上は「福祉型」「医療型」という類型が一元化され、「センター」として共通の枠組みに整理されています。
ただし、実際の支援体制には違いがあり、医療機能を併せ持たないセンターと、診療所機能を備え医療的リハビリや診療を行うセンターが存在します。
現在は、医療機能の有無や医療的ケア児への対応体制に応じて、加算や職員配置で評価される仕組みとなっており、働く環境や求められる専門性にも差が生じています。
福祉型児童発達支援センターの特徴
医療機能を持たない児童発達支援センター(旧・福祉型相当)は、障がいのある子どもの日常生活動作の指導や、基本的な生活習慣・知識技能の習得支援など、生活面・発達面の支援を中心に行うセンターです。
医療的な治療や診療は行わず、保育士や児童指導員、児童発達支援管理責任者が連携しながら、個別・小集団・集団療育を組み合わせた支援を提供します。
なお、令和6年度の制度改正により、児童発達支援センターは「福祉型」「医療型」という指定類型が一元化され、現在は共通の基準・報酬体系のもとで運営されています。
そのため、旧来の福祉型に該当するセンターも、制度上は「児童発達支援センター」として位置づけられ、医療機能の有無などに応じて加算や体制で評価される仕組みとなっています。
「医療機能の有無」による支援・役割の違い
制度上は一元化されましたが、現場の役割としては、主に「福祉的な発達支援」を中心とするか、「医療的ケア・リハビリ」を併設するかで、働き方や専門性が異なります。
生活・発達支援に重点を置くセンター(旧福祉型に近い役割)
日常生活の動作指導や、集団生活への適応支援を中心に行います。
地域の中核拠点として、他の事業所への助言や関係機関との連携も重要な役割です。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 支援の中心 | 日常生活動作の指導、集団活動、地域支援 |
| 医療的支援 | 基本的な健康管理が中心(必要に応じて外部連携) |
| 主な職種 | 児童発達支援管理責任者、保育士、児童指導員 |
| 向いている人 | 子どもの生活面や発達にじっくり関わり、地域連携にも携わりたい人 |
医療機能を併せ持つセンター(旧医療型に近い役割)
診療所としての機能を持ち、医師の管理下でリハビリ(PT・OT・ST等)を提供します。
「障害児医療センター」としての役割も期待されています。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 支援の中心 | 療育に加え、専門的なリハビリや診療を実施 |
| 医療特有の要件 | 診療所要件を満たし、医師・看護師等を配置 |
| 主な職種 | 医師、看護師、PT・OT・ST、保育士、児童指導員 |
| 向いている人 | 医療と福祉の連携に関心があり、リハビリ等の専門性を高めたい人 |
働き方・専門性の違い
現在は「福祉型か医療型か」という明確なラベルよりも、そのセンターが「どの程度の医療ニーズに対応しているか」というグラデーションの中で捉えるのが実態に即しています。
| 視点 | 生活支援重視のセンター | 医療機能を持つセンター |
|---|---|---|
| 多職種連携 | 保育士・児童指導員間の連携が主 | 医療専門職(医師・PT等)との密な連携 |
| 評価の仕組み | 中核機能強化加算など地域拠点の評価 | 診療報酬と福祉報酬の二本立て評価 |
| 求められる知識 | 発達理解、家族支援、地域資源の知識 | 医療的ケア、疾患特性、リハビリの知識 |
| やりがい | 生活の自立や集団での成長を支える | 身体機能の維持・改善と発達を両面で支える |
働く前に知っておきたい人員配置基準と職種構成
児童発達支援センターでは、障がいのある子どもへの療育を支えるため、複数の専門職が連携する「チームケア」が基本となります。
人員配置基準に基づき、管理者や児童発達支援管理責任者をはじめ、保育士・児童指導員などが配置され、事業所に比べて手厚い体制が求められる点が特徴です。
さらに、栄養士や調理員、嘱託医(医療型では医師)といった職種が関わることで、療育・生活・健康面を総合的に支援できる環境が整えられています。
こうした職種構成は、働く側の業務内容や専門性にも大きく影響します。
児童発達支援センターの人員配置基準と必須職種
児童発達支援センターでは、人員配置基準に基づき、複数の専門職が配置される体制が求められます。
必須職種として、施設全体を統括する管理者、支援の質を担保する児童発達支援管理責任者(専任)、そして児童指導員や保育士が配置されます。
センターは地域の中核機関としての役割を担うため、一般的な児童発達支援事業所と比べて、より手厚い人員体制が整えられている点が特徴です。
こうした配置により、一人ひとりの子どもに目が行き届きやすく、計画的な療育やチームでの支援が実現しやすい環境となっています。
センター特有の職種とチームケアの考え方
児童発達支援センターの大きな特徴の一つが、栄養士や調理員、嘱託医(医療型では医師)といった職種が関わる点です。
栄養士や調理員が配置されることで、給食や食育を専門職が担い、保育士や児童指導員が調理業務に追われることなく、療育や支援計画の作成に集中しやすくなります。
※配置状況は施設により異なるため、実際の体制は要確認。
このように、各職種が役割を分担し連携する「チームケア」によって、療育・生活・健康面を総合的に支援できるのがセンターの強みといえるでしょう。
児童発達支援センターで働くメリット・デメリット
児童発達支援センターは、地域の支援拠点として高い専門性が求められる一方、やりがいや安定性を感じやすい職場でもあります。
多職種と連携しながら支援に携わることで、スキルアップを実感しやすい反面、業務の幅が広く大変さを感じる場面もあります。
転職を考える際は、こうしたメリットとデメリットの両面を理解したうえで、自分に合った働き方かどうかを見極めることが大切です。
働くメリット(専門性・やりがい・安定性)
児童発達支援センターで働くメリットは、地域の支援拠点として高い専門性を身につけられる点です。
療育に加え、相談支援や地域連携にも関わることで、多角的な視点が養われます。
医療・食事・相談など多職種と連携する中でスキルアップを実感しやすく、母体が社会福祉法人など安定しているケースが多い点も魅力です。
地域全体を支える役割に、大きなやりがいを感じられる職場といえるでしょう。
大変な点・向き不向き
児童発達支援センターでは、療育に加えて地域連携や相談対応など、直接支援以外の業務に関わる場面も多くなります。
関係機関との調整や情報共有が求められるため、柔軟な対応力やコミュニケーション力が必要です。
一方で、業務範囲が広い分、幅広い経験を積める環境でもあります。
目の前の子どもとじっくり向き合う支援を重視したい人にとっては、業務の多様さが負担に感じられる場合もあるでしょう。
事業所とセンター、キャリアの考え方の違い
キャリアの視点で見ると、児童発達支援センターと児童発達支援事業所では身につく経験に違いがあります。
スキルアップや専門性を高めたい場合は、地域支援や多職種連携に関われるセンターが向いているでしょう。
一方、少人数の環境で目の前の子どもとじっくり関わりたい人には、事業所の支援スタイルが合う場合もあります。
転職を考える際は、自分が将来どのような支援者になりたいかを軸に、施設形態を選ぶことが大切です。
まとめ
児童発達支援センターは、療育にとどまらず地域支援や多職種連携を担う「地域の中核」として、専門職としてのキャリアを磨ける職場です。
一方、児童発達支援事業所には、少人数で子ども一人ひとりと向き合える良さがあります。
どちらが良いかは、「自分はどんな支援をしたいのか」「どんな働き方を大切にしたいのか」によって異なります。
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