ケアマネジャーの研修制度は質向上のため見直しされている!
実務研修だけではなく、ケアマネジャーに関する様々な研修は平成28年度に一度見直しをされています。
背景として、高齢者人口の増加に伴って在宅で暮らす高齢者の方々が増えており、ケアプランを作成するケアマネジャーには医療職をはじめとする多職種と連携・協働しながらより専門性の高い知識とスキルが求められるようになったことが大きいようです。
そのため、ケアマネジャーになるための入口にもなる実務研修を充実させるべく、過去に任意の研修となっていたものを実務研修に組み込むようになりました。
結果として過去44時間だった実務研修が87時間に増えていますが、この研修を受ければ今の現場に即したケアマネジャーとしての知識をしっかり学ぶことができるようになっています。
画像出典:介護支援専門員実務研修ガイドライン
【令和4年度】ケアマネジャー実務研修詳細
都道府県別一覧表
令和4年度の実務研修について都道府県別の研修期間や費用などを一覧にまとめました。
冒頭でもお伝えした通り、実務研修は都道府県ごとに日程やコースが複数あったり、研修スタイル、主催元や費用等がすべて異なります。
多少の変更はあっても概ね毎年の傾向は変わらないので是非ご自身の地域をチェックして参考にしてください。
※令和4年度の情報のため、毎年度変動があります
※複数コースが有ることがわかっているもの=(複)
「実務研修」はなぜ受ける必要がある?
いつまでに受ければいい?
結論からお伝えすると、実務研修を修了しなければケアマネジャーの資格証が交付されません。
実務研修は、「介護支援専門員として必要な知識、技能を有する介護支援専門員の養成を図ること」を目的としています。
ケアマネジャー試験は正式名称を「介護支援専門員実務研修受講試験」といい、あくまでも実務研修を受講する権利を得るための試験にすぎません。
実務研修をすべて修了した方へ研修修了の証明書が交付され、それを各都道府県に提出、登録することで介護支援専門員証がようやく交付される流れになっています。
大半の方が合格した年度に各都道府県で開催される実務研修を受講していますが、もしその年度に受講できなかったとしても
翌年度開催する研修に受けられるような救済措置を用意している都道府県がほとんどです。
その際の時期や申し込みタイミングなどは都道府県で異なりますので詳しくは各県のホームページで調べてみてください。
「実務研修」はどれくらい時間がかかるの?
研修にかかる時間は全部で最低でも87時間はかかります。
基本的には「前期」「実習」「後期」の3つで構成されていますが、都道府県によっては「中期」も加わった4つの構成になっていたりと様々です。
すべての研修を3ヶ月~6か月にわたって実施されていくため、お仕事を続けながら少しずつ受講していく方がほとんどです。
期間は都道府県ごとで異なっています。人口の多い東京や大阪では2期に分けて研修を行う場合もあるため、合格発表の翌年12月までかかる場合もあります。
ケアマネジャーとして新たにキャリアをスタートするタイミングにも影響するので、ご自身の地域の研修スケジュールは事前に把握しておきましょう。
「実務研修」は難しい?
落ちる可能性は?
研修の大半は座学による講義形式です。講義内容もケアマネ試験合格者にはスケジュールとともに事前に通知されるので、そこまで身構える必要はないと思われます。
研修の度に小テストを行う事も多いようですが、テスト自体の難易度も講義をしっかり聞いていれば回答できるものが多いようです。
落とすための研修ではないですが、研修をすべて受講しきれなかった場合は修了証がもらえない為、結果的にその年にケアマネジャーになることは難しいでしょう。
不測の事態で1日でも受講できなかった場合は、ケアマネ試験合格証を持っていれば翌年の実務研修を受講できる都道府県がほとんどなので試験の合格証は大切に保管しておいた方がよいと思います。
都道府県ごとで対応も異なる場合があるため、詳しくはご自身の都道府県HPで調べてお問い合わせしてみてください。
「実務研修」はオンラインでも受講できる?
新型コロナウイルスの影響で数年前から実務研修の形式も変化してきました。
前期、後期の講義やグループワークをzoomで受講できるスタイルをとっている都道府県が増えつつあります。
一方で、受講した方から「講師の方から直接講義を受けたい」「グループワークで直接意見を交わしたい」という集合研修を希望する声もあり、集合研修形式を引き続き取り入れている都道府県も存在しています。
ご自身の地域がオンラインでの講義形式だった場合、スマートフォンやPC等の受講環境を整えておく必要もあるので自分の地域がどんな形式で研修を行っているのか事前にチェックしておくといいかもしれません。
「実務研修」受講後のケアマネ登録の流れや注意点
ケアマネジャー実務研修の予定しているすべての研修を修了すると、修了証明書が交付されます。
それと必要書類を準備して各都道府県の指示に従って登録手続きを行います。
都道府県にもよりますが、基本的には研修修了後3ヶ月以内に登録申請を行う必要があり、期間を過ぎてしまうと登録資格を失う事もありますので各都道府県のホームページを確認したり、研修後の案内に沿って対応をしていきましょう。
介護支援専門員資格取得から就業までの流れ
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介護支援専門員実務研修受講試験
- 介護保険制度などに関する必要な専門知識等を有していることを確認するための試験
- 試験日は都道府県統一で実施
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介護支援専門員実務研修
- 多職種協働を実践できるよう、ケアマネジメントに関する必要な知識や技能を修得するための研修
- 実務研修に要する時間は合計87時間以上
- 都道府県により日程は異なり、実施機関は都道府県が指定する
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研修修了証明書の交付
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都道府県への登録
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介護支援専門員証の交付
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介護支援専門員として就業開始!
まとめ
いかがでしたか?
ケアマネジャーの重要性が年々高まっていくのと同時に求められる知識やスキルの水準も上がってきています。
ケアマネジャーの仕事につくために試験をこれから受けるようか考えている方も見事試験に合格された方もこの記事を見て少しでもお役に立てたら幸いです。
医療介護領域で培ってきた経験を活かせる、元気な限り定年を過ぎてもずっと働けるケアマネジャーというお仕事。
もちろん大変なことや不安に感じる事も決して少なくはないお仕事ではありますが何より利用者様と直接的な介助とは異なる形でサポートする事ができる事をとてもやりがいに感じている方も多いと聞きます。
また需要が高まってきている事で求人数も年々増加しており、未経験でも安心してスタートできる環境選びも見極めが難しくなってきていますので
転職活動のタイミングや自分の地域の給与相場等、色々情報を収集したい方は一度ケアマネ専門の転職エージェントにご相談ください。